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活動ブログ

2024.10.27 ミテ・ハナソウ オンライン 鑑賞会

10月27日(日)に「ミテ・ハナソウ オンライン鑑賞会」が開催されました。
今回は、佐倉市立美術館の収蔵作品の中から2作品を鑑賞しました。

 1作品目:柴宮忠徳 《樹と石のある風景》
 2作品目:渡辺学  《遺された人々No.2》

ミテ・ハナソウ(対話型鑑賞)で、私のテンションが上がるのは、参加者の方々の思考がパイプラインのようにつながっていく瞬間です。
今回の鑑賞会でも、そんな瞬間が何度もありました。

1作品目では、「木は有機的なものを、石は無機的なものを表しているのではないか」という意見が出ました。
それを受けて、「作品が右と左で分かれているのでは?」という意見が出ました。
すると他の方から、連鎖的に「右と左で、地面の色が違う」「右は自然の形で、左は人工的な形」「右は屋外で、左は室内ではないか?」という意見が出ました。
そして、「右が人間で、左がテクノロジー」で、木と石をつなぐ枝のようなものは「テクノロジーと人間をつなぐもの」という解釈につながっていきました。

2作品目は、みなさんが不安や恐怖といったネガティブなイメージを持ったようです。
「寒い冬」「中央の人物が、死んでいる白い鳥を持っている」「人物が鳥を優しく持っている」「人物の目に力がある」「立ち姿から、意思が強そうに見える」「左肩に血のようなものが付いている」「手が汚れている。背景も似た色で、汚れている」

人物については、背景の海が光って後光のように見えることから、神聖なもの・神様のように見えるという意見がありました。
一方で、肩に血のようなものが付着しているように見えることから、「人を殺めているのではないか?」「罪を犯しているのではないか?」という意見もありました。
対話が進むと、ネガティブな雰囲気や人物の強い意思から、「環境破壊に対する怒りや警告を表現しているのではないか?」という意見も出ました。

対話がつながることによって、いろいろな解釈ができることが分かり、あらためて2作品の持つパワーに気づくことができました。
もっと時間をかけて鑑賞したら、さらに新しい何かを発見できるかもしれないという可能性も感じました。
このように作品の価値を広げるミテ・ハナソウを、多くの人に体験してもらいたいと思います。

佐倉市立美術館では、現在「佐倉・房総ゆかりの作家たち展(収蔵作品展)」を開催しています。
佐倉市立美術館「佐倉・房総ゆかりの作家たち」
今回鑑賞した2作品目の「遺された人々No.2」も展示されているので、実物をじっくり見てみたいと思いました。

次回のオンライン鑑賞会は、2025年 3月16日(日)に開催予定です。
アートでワクワクしたい人はどなたでもOKなので、ぜひお申込みください。
ミテ・ハナソウ オンライン鑑賞会

ミテ*ハナ たーぼー