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活動ブログ

10月23日 ミテ・ハナソウ オンライン鑑賞会 開催しました。

急に寒くなってきて、まさに季節の変わり目という感じですが、今回は6名の方に参加いただきました。

<鑑賞作品>
1作品目:春日部 たすく(かすかべ たすく)《猫の天国》 1957年/水彩
2作品目:清原 啓子(きよはら けいこ)《題名不明》*学生時代の習作 1978年頃/銅版画

2作品目の清原啓子の作品には独特の世界観があります。
私はこの作品の鑑賞に少し不安を感じていたのですが、参加者のみなさんには、とても楽しんでいただけました。

まず、服装や表情から、鳥が傲慢で権力を持っているのではないかという発言が複数の方からありました。そして、権力者である鳥に、天使が冠を被せようとしているところではないかという意見が出ました。

一方で、天使は冠を取り外しているのではないかという意見も出ました。その後、後ろの柱の1本が倒れていたり、胸像の台座が細く不安定であったり、台座の下部に穴があって、ピラミッドの墓室を思わせるような、向きが不自然な階段があったり等、権力のほころびや崩壊を思わせるものも見つかりました。権力者の繁栄から没落という歴史の物語が想像されて、イメージが広がっていく気がしました。

もっと時間があれば、天使が冠を被せようとしているという見方でも、もっとイメージを広げることができたかもしれないと思いました。ひとりだけで鑑賞しているときは、この作品は難しいと思っていたのですが、参加者のみなさんと対話を重ねるうちに、作品の魅力がわかるようになった気がします。

佐倉市立美術館では11月1日から「没後35年 清原啓子銅版画展」が開催されていますので、他の作品もじっくりと見て楽しみたいと思いました。

ミテ*ハナ たーぼー